第3章 イエメンの旧市街のお宅へ訪問! [イエメン]
→ 第1章 イエメンってどんな国?
→第2章 イエメンの高層住宅の中はどうなっている?
旧市街・新市街にある住宅へお邪魔させてもらい、家の間取りを見せてもらいました。
まずは旧市街の住宅。
今回お邪魔させて頂いた家は、1960年代に建てられた伝統的な形式が残っているお宅です。家族構成は夫婦と息子4人娘4人の10人暮らしです。
・1階平面図
階段室を中心に東西に部屋があります。住居の東側は昔増築された部分だそうです。図面では分かりにくいですが、西と東でスキップフロアの様になっています。
1階と中2階には、以前家畜小屋や食料庫として使われていたと思われる部屋がいくつかありましたが、今は物置として使用されていました。
二階へ行く階段の途中に裏口があり、中庭に出られるようになっています。庭では洗濯物を干すスペースになっています。中庭は隣家の外壁で囲まれており、不特定多数が通る道路からは見えない配置になっています。
・2階平面図
2階へ行くと、2つのディーワンがあり、その手前にはへジェラがあります。ディーワンは今でも寝室として、男女に分かれて使っているそうです。隣にある物置はマットレスや布団をしまう部屋です。
物置はちょうど玄関の真上にあたり、のぞき窓がつけられています。
のぞき窓は出窓のような形状で、レンガと漆喰でできています。外からは見えないように格子状になっていることが多いです。来客が来た際に女性がこの窓からのぞき、知人かどうか確認するための窓です。今は使われておらず、物を置くスペースになっていました。
のぞき窓には玄関の扉とつながったロープがあり、来客だと分かるとロープを引っ張って玄関を開けられる仕組みになっています。これも女性と男性が顔を合わせない配慮の一つです。
中3階は主に来客用のスペースになっており、ヘジュラとディーワンがあります。キッチンも来客が来たときにチャーイを出す簡易キッチンとなっております。
この様に、プライベート空間と来客用の空間がはっきり分かれているのもイエメンの住宅の特徴の一つでもあります。
・3階平面図
3階はメインのキッチンとトイレ、空き部屋が2つあります。こちらのキッチンにものぞき窓がありました。
・4階平面図
4階は空き部屋が2室あるだけで今は全く使っていませんでした。4階からはベランダに出ることもできます。
ところでイエメンの住宅が何故あんなに高層住宅なのかご存知ですか?
民族間での争いが耐えなかったころ、市民は市壁の中で生活していました。市壁の中では土地が限られているため、家族が増えるごとに上へ上へ増築していきあの高層住宅が出来たと言われています。高いものでは7階建にもなり、3、4世帯の家族が一緒に暮らしていました。
最近では新市街の方に新居を建てる家族も多く、イエメンでも核家族化が進んでいるようです。そのため、増築され続けた家では空き部屋が目立っていました。
→ 第1章 イエメンってどんな国?
→第2章 イエメンの高層住宅の中はどうなっている?
→第4章 イエメンの新市街のお宅へ訪問!
コメント 0